先日AmazonがEC2のMicro Instanceという新しいInstance Typeを発表した.
EC2というのはAmazonの提供しているレンタルサーバサービス(VPS)のようなもの.
Instance TypeというのはEC2用語でスペック別のサーバタイプに相当する.
今回はこれまで最小スペックだったSmallと新しく発表されたMicroの間でコスト比較をしてみる.
まず,基本情報としてEC2の値段表はこちら
http://aws.amazon.com/ec2/pricing/
また,スペックはこちらに一覧されている
http://aws.amazon.com/ec2/instance-types/
EC2の値付けはちょっと特殊で,普通のレンタルサーバのように月額固定費というわけではなく,サーバを起動している時間,リソース(ネットワーク/Disk要領,IO)の消費量によっても課金される.
なのでここで計算する値はあくまでも試算になる.
まず,サーバの起動にかかる費用だが,
Small+APAC@シンガポール,Spot Instance(完全従量課金)を利用した場合,Smallだと0.095 USD/hになるので,
0.095 * 24 * 30 = 68.4 USD/month
に対して,Micro Instanceだと
0.025 * 24 * 39 = 18 USD/month
さらに,1年間一部金額を前払いするReserved Instanceを使うと,Smallなら
( 227.5 + 0.04 * 24 * 365 ) / 12 = 48.16 USD/month
の所を,Microだと
( 54 + 0.01 * 24 * 365 ) / 12 = 11.8 USD/month
3年間前払いのReservedだと,Smallが
( 350 + 0.04 * 24 * 365 * 3 ) / 36 = 38.92 USD/month
Microは
( 82 + 0.01 * 24 * 365 * 3 ) / 36 = 9.58 USD/month
になる.
SmallとMicroのスペック差は
・Small
1.7 GB memory
1 EC2 Compute Unit (1 virtual core with 1 EC2 Compute Unit)
160 GB instance storage (150 GB plus 10 GB root partition)
32-bit platform
I/O Performance: Moderate
・Micro
613 MB memory
Up to 2 EC2 Compute Units (for short periodic bursts)
EBS storage only
32-bit or 64-bit platform
I/O Performance: Low
になるが,そこまでユーザ数の多く無いサービスや,計算量がそれほどいらないといったサービスであればMicroでも十分だと言える.
例えば,テストサーバ,バックアップサーバなどにも使いやすいだろう.
なお,実際にEC2でサーバを利用する際には別途EBS(Elastic Block Store)というストレージサービス(仮想HDDの様なもの)も使うことになる.こちらは月0.1 USD/GBなので,50GBのストレージを確保すれば余計に5 USD/monthかかるので注意.
他にも,ネットワークI/Oと上記のEBSへのI/O不可が高くなるとそれなりの課金が発生するので,予算見積をするときには考慮に入れる必要がある.
僕としてはとりあえずは人柱待ちだが,テストやバックアップなどのバックエンド系であればもう使っても良いかなと思う.
さくらのVPSが月額980円なので価格だけ見ればそちらの方が安いが,EC2はVMイメージ(AMI)の使い回しや,Spot Instance(時間課金で必要なときだけ起動できる)があるので,その柔軟性も考慮に入れるのであれば,運用の仕方によってはEC2の方が良い,というケースも出てくるように思う.
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