そこで,これだけ安くなってくると自宅サーバの電気代を下回るのではないかと思い,ざっくりコスト計算をしてみることにした.
前提など
シナリオとしては3通り.EC2はドル払いになるので為替変動の影響を受けるのと,転送量などの従量課金特性があるので今回は定額のさくらVPSを指標として利用した.
- さくらVPSで運用
- 自宅サーバ(デスクトップPC)で運用.初期投資は既存のものを使いまわすので無料
- 自宅サーバ(ノートPC)で運用.初期投資は既存のものを使いまわすので無料
また,ノートPCについてはこちらのサイトによると,Thinkpad X60sの標準時消費電力が9.3Wとのことなので,こちらも多少余裕を見て10Wで計算する.
計算結果
さて,そんな状況下で24ヶ月分のコストを見積もってみたのが以下の図である(電気代の計算には消費電力計算君を用いた).
見てみるとわかるが,さくらVPSはデスクトップPCとほとんど同じ運用コストになっていることが分かる.実際に,さくらVPSは980円/月,60WのデスクトップPCでは950円/月と,30円しか違いが無かった.
一方,ノートPCの消費電力は圧倒的に小さく,160円/月という計算になった.しかも,ノートPCの電気代にはディスプレイの消費電力が含まれているので,ディスプレイの電源を落とすことでさらに電気代は抑えることができるだろう.
考察
ここから言えることは,現状デスクトップPCで自宅サーバを運用している場合,自宅内LANの転送速度が必要だとか,高速なファイルサーバが必要といった事情が無ければ1000円前後のVPSに移行した方が良いという結論になる.
実際に自宅サーバを運用するにはハードウェア故障や冷却などの追加コストやリスクが発生するので,デスクトップPCからVPSに移行するモチベーションは高い.
一方,ノートPCで運用する場合にはさくらVPSに比べて1年間で9,840円のコスト的メリットがある.
仮に既に使っていないノートPCがあり,ハードウェア故障や回線障害の問題を気にしなければこちらの方が安いということになる.
しかし,1度HDDが故障すれば吹っ飛んでしまう様な違いなので,対して変わらないとも言える.
結論として,これまで安いからという理由だけで自宅サーバを運用してきた人や小企業にとっては,VPSへの移行を考えても良い時期になったのではないかと思う.
ファイルサーバなどはNASのような専用機器が一般化してきているので,現状自宅サーバがやっていることは恐らくWebの公開やFTPサーバといったサービスだろう.
こうしたサービスであれば,安定稼働かつ広帯域でハードウェア故障の危険性のないVPSに移行するメリットは十分あるのではないだろうか.
引き続きVPS周りはwatchしていきたいと思う.
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