2010年2月5日金曜日

標準化とガラパゴス

絵文字が開いてしまった「パンドラの箱」第7回--そして舞台はダブリンから東京へ

携帯/モバイル端末における絵文字の標準化についての話.

元々この種の利用は日本が先んじており,議論されている標準化のベースも日本の携帯電話の影響を非常に強く受けている.
なのに,標準化に出てきている企業はGoogle/Apple,EUが中心という何ともガラパゴス日本らしい話.

ものづくりの強い日本と言われていたのが中国などの台頭によって弱まってきた昨今,僕はソフトウェア・情報産業にもっと力を入れていかなければ行けないと思っている(自分がソフトウェア屋なこともあるが).
ハードウェアは様々な仮想化・抽象化・標準化により,どこが作っても大差ないという状況になってきてしまっている.現在市場に出回っているノートPCやデスクトップPCは仕様だけ見ればほとんど同じような製品であり,実際にその中身も台湾のOEM製品で組み立てられており,そこに日本の技術力を見ることはできない.
唯一例外と言えば,モバイルに代表される特殊な基盤を使わないと行けない小型端末なのだが,日本以外ではB5サイズクラスの小型PCに対する需要は低く,悪い意味でガラパゴス化していってしまっているように感じる.

日本国内の技術を元にした標準化が進むことによって,国内で作っていた製品をそのまま海外で販売する事が容易になるし,ソフトウェアの修正も最小限で済む.良いことづくしに見えるのだが,国内キャリアはそうは思っていないようで,相変わらず国内の少ないパイを奪い合っている.
# 他にも日本発の技術の標準化という看板が付くので,国際的な発言権の様なものが得られるかもしれない

あ,でもキャリアとしては端末自体を作っているわけではないから標準化に取り組む意義は薄いのかも知れない.でも絵文字の標準を決めているのはキャリア側だからキャリアがこういったことに取り組むしか無いと思う.うむむ

ちょっと怖いのは,国内キャリアがこういった国際標準化を無視し続けていつの間にか標準が決まり,日本以外の各国が日本と違う標準で製品を作り続けたとする.そして,いつか必ず日本もグローバル化の波に呑まれるその時,日本だけが全然違う物を使っていて波に乗り遅れてしまうというシナリオだ.
波に乗り遅れてしまえばその後は後追いとなるしかないため,主導権を握ることは難しいだろう.その内国内キャリアも外資に乗っ取られてしまう,なんてこともあるかも知れない.

主導権を取れるはずなのに取りに行かない,というこの状況は危険なものなのではないだろうか?

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