2010年2月2日火曜日
[書籍]: フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
最近あちこちで平積みされている本.著者はかの有名なAmazonのロングテール戦略についての本を書いたクリス・アンダーソン.内容についてはAmazonのレビューなどを参考にして欲しい.
この本では「稀少」と「潤沢」についての話が書かれており,具体的な過去の例などを通じてこれまで稀少だった物が潤沢になると世の中はどうなっていくのかということについて言及している.
「稀少」なモノに人はお金を払うが,「潤沢」なモノは無料(もしくは無視できるほど安い価格)で提供されるため,それ自体で経済的利益を得ることは難しい.
しかし,潤沢なモノそれ自体で稼がなくても,それによって得られる非経済的な価値(評価と注目)をうまく使えば,それを元に稀少なモノを提供することでお金を稼ぐことはできる,という話.
例えば,ニコ動なんかで趣味で高品質な作品をUPしている人の所に出版社や起業が書籍化や広告コンテンツの作成を依頼するなんていうモデルもこれに含まれるのではないかと思った.
しかし,この本の後半にも書かれていたが,リーマンショック以前の経済状況であればそうした非経済的な価値(例えばユーザー数やアクセス数など)を集めていれば,どこかの起業(西海岸ならGoogle)がその内買収してくれるという回収モデルが確立していたが,現在ではなかなかそうはいかず,早い段階で経済的な利益を得る必要があるという問題が出てきている.
この問題については現在進行中なのでどうなっていくのか分からないが,とにかく話題性を集めてexitする,という戦略はやりにくくなったように思える.
何にせよ,この本はWeb界隈のビジネスに興味がある人,特にこれから自分でサービスを立ち上げてみようと少しでも考えている人にはお勧めだと思う.既存のビジネスモデル(海外なのでそのまま国内では使えないと思うが)の具体例などもあるため,参考になる.
本が分厚くて読む気が起きず,2週間ほど詰んでいたのだが単に紙が分厚いだけだった(350ページくらい)ので,1〜2日もあれば読み切れると思うのでぜひ.
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